MASON Security Magazine

SOC2とは何か?
その重要性と準拠の進め方を解説

2024/9/3

一般にSOCレポートもしくはSOC保証報告書とは、企業が業務を受託したりサービスを提供したりする場合に、その業務に関わる内部統制の有効性について、監査法人や公認会計士が独立した第三者の立場から客観的に検証した結果を記載したものです。

SOCレポートにはSOC1,2,3の3種類がありますが、中でもSOC2レポートでは一般的にクラウドサービスプロバイダーやデータセンターの事業者を対象に、米国公認会計士協会(AICPA)が定めたトラストサービス規準(Trust Service Criteria)に従って、事業者の扱うシステムとデータに対する信頼性やセキュリティが評価されるものです。

SOC2(Service Organization Control 2)レポートは、クラウドサービスやSaaSなどのサービス提供者が、顧客データの保護と管理に関する信頼と透明性を提供するために必要不可欠なものです。SOC2認証は、セキュリティ、可用性、処理の完全性、機密性、プライバシーの5つのトラストサービス基準に基づいて評価されます。この制度を理解し、適切に準拠することは、企業にとって信頼性を高める鍵となります。

SOC2の概要とその必要性

SOC2は、サービスプロバイダーが顧客データをどのように保護し管理しているかを評価するためのレポートです。これにより、顧客は提供されるサービスが安全で信頼できるものであることを確認できます。特に、クラウドサービスやSaaS業界では、顧客が自らのデータがどのように取り扱われているかを理解しやすくするためにSOC2の準拠が求められます。SOC2レポートは、外部の監査法人によって独立して評価されるため、客観的で信頼性の高い評価を提供します。

SOC2認証取得に向けたステップ

SOC2認証を取得するためには、まず組織内部での準備が必要です。これには、セキュリティポリシーや手順の整備、従業員教育、リスク管理のフレームワークの導入などが含まれます。その後、外部の監査法人に依頼し、正式な評価を受けることになります。この評価は、通常6ヶ月から1年程度の期間を要し、トラストサービス基準に対する徹底したレビューとテストが行われます。最終的に、合格と認定された場合にSOC2レポートが発行されます。

SOC Type2とISO27001認証の違い

  SOC2 ISO27001
対象事業 クラウドサービスプロバイダーやデータセンターの事業者といったITサービスプロバイダー 様々な事業者。情報システムを取り扱っている組織
基準 情報セキュリティに加えて可用性、処理の整合性、信頼性、プライバシーに関する評価 情報セキュリティのマネジメントプロセスがISO27001に適合しているかを評価。
評価ポイント 組織のシステムとデータに対する信頼性やセキュリティが評価 情報セキュリティマネジメントシステムが対象組織で十分に運用されているかを評価

SOC2準拠の進め方とポイント

SOC2準拠を進めるにあたっての重要なポイントは、まず内部統制のフレームワークをしっかりと確立することです。これには、ドキュメンテーションの徹底、定期的な内部監査の実施、スタッフのセキュリティ研修が含まれます。また、ドメインごとの手順やポリシーの設定も重要です。例えば、アクセス管理や物理的セキュリティに関する具体的なガイドラインの整備が求められます。これらの準備をしっかりと行うことで、外部監査をスムーズに進行させることができます。

まとめ

SOC2レポートは、現代のデジタルサービス提供において不可欠な存在です。SOC2の取得と準拠は、顧客の信頼を得るための重要なステップであり、そのための準備とプロセスは確実に行う必要があります。内部統制の確立、外部監査の依頼と評価を経て、最終的にSOC2レポートの取得が目指せます。これにより、サービスの信頼性が向上し、ビジネスの成長をサポートします。SOC2準拠を実現するためには、継続的な改善と従業員の協力が不可欠です。

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